2021-03-24 水葬への彷徨 まどろみに意味はあるか、眠りに意味はあるか。 麻痺した体は夢の中。どこまでもどこまでも水に漂うみたいで。 沈みゆく感覚は、堕ちてゆく感覚は甘い砂糖水みたいで、時折砂利のような塊が口元に残る。 泡が遠くの水面に登る。静かにただ、ただ登る。 一切のしがらみは、俗世の虚無は遠くに。 嘆いた日々も地上に残した古写真のような。 懐かしい絵空事を淡く思い出させる。 この生には意味などなく。きっと終わって初めて何かに気がつく。 その日まで。 水葬は続く。