私が気持ちを新たにした頃。
彼に災難が降り掛かかり始めていた。
彼が描いた新しい柄があまりに極端な表現をしたため誹謗中傷を浴びてしまうことになったのだ。
彼は自身の唯一の誇りだったものを思いっきり貶されて心に傷を追った。
本当に見てられない位の落ち込み具合で、私がしつこく食事を摂るように進めない限り一口も食べないし、不精髭は伸び放題。
見ている私の方まで辛くなる有様だった。
けど私は彼が立ち上がるまで彼のそばにいることにした。
何度も何度も、声が届くまで励まし続けた。
けどある時自暴自棄な彼は私を怒鳴りつけた。
私は思わず我に返った。
これは彼の心に踏み込みすぎたのではと。
私は泣きながら彼の仕事場を去り。しばらく一人きりなった。
心の中は悔しさと悲しさが渦巻いていた。
私は涙が枯れきるまで久々に泣いた。
彼を見てきた私。
この人生の中でここまで辛い気持ちは稀な事だったと思う。
(次回に続く)